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【予習編】『ヒメアノ~ル』公開!吉田恵輔監督特集!!

【予習編】『ヒメアノ~ル』公開!吉田恵輔監督特集!!

【予習編】『ヒメアノ~ル』公開!吉田恵輔監督特集!!


どうも、ジャン黒糖です。

今回の予習編は、あのV6の森田剛が冷酷無比な殺人鬼役を演じて話題の映画公開にあわせてこちらの特集です!
『ヒメアノ~ル』公開!吉田恵輔監督特集!!
前回の「是枝裕和監督特集」に引き続き日本人監督特集にて失礼します。。

吉田恵輔監督とは

まずは監督の簡単なプロフィールを。
吉田恵輔監督、1975年生まれの現在41歳映画監督で、東京にある専門学校で映画に関する勉強の傍ら、映画製作の勉強も兼ねて『鉄男』(1989年)『悪夢探偵』(2007年)『野火』(2015年)等で知られる塚本晋也監督のもとで照明担当として数本の映画やCM・ミュージックビデオに参加。
その後、2006年の蒼井そら主演映画『なま夏』にて映画監督デビューを果たし、本作はゆうばり国際ファンタスティック映画祭でファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門グランプリを受賞しました。

2016年現在の吉田監督作品は以下の通りです。

『なま夏』(2006年)
『メリちん』(2006年)※未ソフト化
『机のなかみ』(2006年)
『純喫茶 磯辺』(2008年)
『さんかく』(2010年)
『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(2013年)
『麦子さんと』(2014年)
『銀の匙 -Silver Spoon-』(2014年)
『ヒメアノ~ル』(2016年)

『ヒメアノ~ル』予習のため、今回吉田監督の過去作を観直したり、中には初めて観たりしたのですが、残念ながら『メリちん』のみ未ソフト化のため鑑賞出来ませんでした。。。

吉田監督は『さんかく』の頃にうっすら名前を、そして『ばしゃ馬さんとビッグマウス』のときに「この監督すごい!!」と認識し、『麦子さんと』と立て続けに観たこともあって、「人の良さそうな監督なんだろうな」と思っていたのですが、初期作品の特典映像には監督のインタビューやメイキングが入っていたのでそちらも見たところ、さすがは塚本晋也組出身というだけあって(?)割りとイカツめな印象の方でした。笑
(まぁGoogle画像検索すれば顔はすぐに出てくるのですがね。笑)

作品の主な特徴について、私なりに思うところについて詳しくは後述しますが、最新作『ヒメアノ~ル』公開に至るまで、吉田監督作品で描かれる人々って「痛々しくも憎めない人の愛くるしさ」>が際立って描かれていることが多いな~って思っていたんですね。
特に『ばしゃ馬さんとビッグマウス』から『銀の匙』まで、1年の間に立て続けに公開ラッシュとなった3本の作品は過去の吉田作品の中でもヒリヒリとする痛々しさよりも”人の良さ”が強く描かれていたため、そんな吉田監督が今回『ヒメアノ~ル』を監督すると聞いて「え~?!大丈夫なんそれ??」って正直最初は思いました。

ところが今回改めて予習として観直すコトでなるほどこれは確かに期待できる!と思ったことがあったので下記にて各作品について細々とはお伝えしきれないのですが、私なりに思うところをあれこれと。

変態性に見られる愛くるしさと痛々しさ

吉田監督の作品に目立つ特徴として「痛々しくも憎めない人の愛くるしさ」が際立っているというのは上述の通りなのですが、それに加え”変態性”というモチーフも特に初期の作品において多く採り入れられています。

たとえば監督デビュー作の『なま夏』では蒼井そら演じる女子高生のストーカーをする冴えないサラリーマン男性(事実上の主人公)の、行なうストーカー行為のあまりの変態っぷりにドン引きしつつも、一途に思うあまりの不器用さ加減と報われ無い痛々しさに「こういう人いるよな~」と思う部分もあったりして、とても魅力的な主人公像でした。

なま夏

続く『机のなかみ』では大学受験を控える女子高生を教える家庭教師(演じるは芸人のあべこうじさん)の、好意を募らせ徐々に崩れていくサマが流石は芸人さん、やっていることはひたすら痛々しい下心満載なのに、コミカルに演じることでなぜか憎めない人間に見えましたし、一方の女子高生側を主人公視点に移る後半部では、女子高生という未成熟期ならではの報われない自分に対する身を引き裂くような想いを、これ以上ない心苦しい描写で描かれています。

机のなかみ

仲里依紗、雨上がり決死隊の宮迫博之主演の映画『純喫茶 磯辺』では、宮迫博之演じる父親が、親の遺産でなんとなく思い立って開業した純喫茶にアルバイトとして働く”モッコ”(麻生久美子)を口説こうとするダメ親父っぷりと、それでも実は娘をとても大切にしている優しさの部分が交じり合っている辺りがリアルに描かれています。

純喫茶磯辺

吉田監督の名がより有名になった、映画『さんかく』では高岡蒼甫演じる主人公が、彼女(田畑智子)の妹に恋してしまう奇妙な三角関係を描いた作品で、妹を演じるは当時AKB48の人気メンバーである小野恵令奈という、明らかに歳の差を感じることから最初は気にもかけていなかったものの徐々に妹のあどけない魅力にのめり込んでしまう主人公と、そんな主人公に捨てられる不安と嫉妬でおかしくなってしまう彼女の、「そこまでする?!!」という変態的行動を強烈なまでに痛々しくも、どこか愛くるしく温かい目線で描かれています。

さんかく 映画

このように、吉田監督作品の多くに共通して痛々しい行為を繰り返す変態が多く登場するのですが、いずれもある程度憎めない余地を残しているため、吉田監督は非常に繊細な人物描写が上手い監督だな~と思います。
よほど人間観察が細かく、且つ意地悪くないとこうも痛々しさと愛くるしい変態たちを描けないですよ。笑

理想と現実の狭間で

吉田監督の作品に出てくる登場人物には思わずドン引きしてしまうような痛々しい行為をする人々が出ていながら、なぜこんなにも憎めず共感を抱いてしまうのか。
その理由は、いずれの人物たちも”理想”を思い描いて”現実”を前にもがきながらも行動する、という私たち誰しもに共通するベースがしっかりと描けているからだと思うんですね。

たとえば上述の、吉田監督初期の変態作品は惚れた相手と付き合う(理想)と、それが叶わない現実にもがく主人公らの痛々しくも愛くるしく憎めない主人公たちが登場します。

また、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』から『銀の匙』まで、立て続けに公開された3作品では文字通り理想=夢に向かって頑張る主人公らの、夢を諦めるべきか、それとも諦めず向き合い続けるべきかという、より映画としてのフィクショナルな要素を抑えたリアルなテーマの作品が作られました。

たとえば『ばしゃ馬さんとビッグマウス』では、麻生久美子演じる映画脚本家としての夢を諦めきれない30代女性の、夢を諦めるキャリアを歩んでいくべきか、それとも作品評価としてのまだ見ぬ栄光・名声を得るために頑張るべきか、という脚本家に限らず誰の心にでもあるであろうリアルな話が描かれています。

ばしゃ馬さんとビッグマウス

本作ではこれまでの吉田監督作品のような変態性は薄れたものの、理想と現実のギャップの中でもがく人間像の痛々しさと愛くるしさはよりリアルに描かれていく様になりました。

また、『麦子さんと』では声優を目指す主人公・麦子(堀北真希)が、母の訃報を知り、納骨のために訪れた母の故郷で、かつて自分たちを兄妹を捨てた母の、若い頃にはひたむきに夢を目指していた姿と、それでも子を産もうと決めた母としての決意を知ることで、麦子自身にとっての人生に対する向き合い方の変化が描かれています。

麦子さんと 映画

これまでの吉田監督作品の中でも、ストレートに痛々しい人物とかは少なめですが、そんな本作でも夢を追いかけつつもなかなか芽の出ない自分が、かつての母親の姿に重なる様子が、切なく感動的な作品でした。

そして最新作『ヒメアノ~ル』の前作にあたる『銀の匙』では、中高一貫の進学校出身の主人公が、成績競争から逃れて入学した北海道の酪農高校に入学し、最初は惰性で過ごしていたものの、やがて仲間や動物たちを通して成長する姿が描かれています。

銀の匙 映画

吉田監督作品としては初めてオリジナル脚本ではなく、漫画原作を元にした映画化作品のため、これまでの吉田作品に共通していたようなトーンはかなり薄い本作。
ただ、主人公の八見をはじめ、各々思い描いていた将来の夢や居場所とは反する、もしくは思い通りには行かない人生を送っている、というこれまでの吉田監督作品にも通じる”理想と現実の狭間”が物語のベースとしてあり、それでもどんな苦境であろうと諦めず行動し続けていくことでいずれは「やれば出来る」という、過去作品に比べても最もポジティブなメッセージとなっております。

この、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』から『銀の匙』まで、連続公開した3本によって、吉田監督自身これまでは「変態監督」とか「人のリアルな嫌な部分を温かく描くドS監督」と評判だったところ、この3本によって「人の良さが描ける監督」というイメージが付くようになり、なので私自身、顔写真を見るまで穏やかそうな方なんだろうな~と思っていました。笑

ただ、3本続いた作品によってすっかり「良い人」のイメージが付いた監督自身、さすがは変態映画を撮る底意地の悪い監督なだけあって(失礼)、『銀の匙』を撮り終えた際、インタビュー等で「次はかなりダークな作品を撮る」と語っていました。
そんな吉田監督が次の作品に選んだのが古谷実原作の『ヒメアノ~ル』と聞いて「あれ??ヒメアノ~ルやるんだ」と思うと同時に「なるほど」とも思いました。

『ヒメアノ~ル』の原作者、古谷実というと『稲中卓球部』を代表するギャグ漫画と、それまでのギャグ路線を崩した衝撃作『ヒミズ』の2作が有名ですが、『ヒメアノ~ル』はそのうちのシリアス路線にあたる作品です。
『ヒミズ』は園子温監督が映画化したことでも話題になりましたが、私の印象として『ヒメアノ~ル』は『ヒミズ』以降、『シガテラ』『わにとかげぎす』と続くシリアス路線、且つ似たような筋書きのため、当時原作マンガを読んだ際、「またこんな感じのテイスト~?もういいよ~?」とマンネリ感否めない印象でした。

そのため、「古谷実原作の映画化!!」と聞くと、『ヒミズ』の次は『僕といっしょ』とか『グリーンヒル』、『シガテラ』とかの方がアガるな~と思いました。
ただし!たしかに作品設定からすれば『ヒメアノ~ル』は、上記にて書いた通り、吉田監督の変態的且つ繊細な人間描写からすると古谷実作品の中でも監督自身の資質に合った題材と思います。

商業的キャスティングの妙

吉田監督のもうひとつの特徴として挙げられるのは、キャスティングの上手さにあると思います。

それこそ、監督デビュー作の『なま夏』でさえ、自主制作映画にもかかわらず人気AV女優の蒼井そらを主演に添え(物語上の主演はストーカー役の三島ゆたかさんですが)、次作の『机のなかみ』も、女子高生役に当時ミスヤングマガジンの鈴木美生、家庭教師役に人気芸人あべこうじを起用、というように、自主制作・小規模映画ながら商業的感覚を常に持ったキャスティングをするな~と思います。

以降も、『純喫茶 磯辺』の主演には当時まだ若手女優ド真ん中の仲里依紗の父親役に雨上がり決死隊の宮迫博之をキャスティングしたり、『さんかく』では高岡蒼甫演じる主人公がのめり込んでしまう”幼きファムファタール”役に当時AKB48の小野恵令奈をキャスティングするなど、一見意外なキャスト起用に思えるところ、映画を観ると見事にハマっていたりして、俳優一筋以外からのタレント起用が意外キャスティングだけど上手いんですよ。

特に、吉田監督が”良い人”イメージを構築していった『ばしゃ馬さんとビッグマウス』以降は関ジャニ∞の安田章大、Sexy Zoneの中島健人を起用するなど、起用に至るプロセスこそ知り得ませんが、ジャニーズタレントの起用にも”ジャニーズタレント”に対する勝手な印象を覆す上手い役者演出を手掛けて、さすがは人を描ける監督だな~と思います。
『ばしゃ馬さんとビッグマウス』の安田くんなんてこの映画を観なかったら「なんか関ジャニ∞のガヤガヤしている1人だよね?」とか「うたばんでオネェ疑惑出てた人??ww」って思っていたところでしたし、『銀の匙』の中島くんなんて普段のセクシーさ全開の彼からはよほど想像も付かないほど、運動の苦手そうな非力でドン臭い元ガリ勉にしか見えず、アイドルとしてではなく普通に良い役者としての出会えたことに感謝です。笑

そんな吉田監督が今回、最新作『ヒメアノ~ル』で主演に起用するは昨年結成20周年を迎えたV6の森田剛!!
しかも本作がなんと単独映画初主演!!(V6総出演映画を除けば事実上”単独”抜きに初主演!!)

ヒメアノール 映画

昨年放送されていたドラマ『リスクの神様』で映像作品に出ている森田くんを久しぶり観てサラ~っと自然に上手いアシスト役を演じるな~とは思っていたのですが、まさか単独初主演で、しかも古谷実原作の『ヒメアノ~ル』か?!と。

振り返るとたしかに、2002年放送の月9ドラマ『ランチの女王』(懐かしい!!)で竹内結子演じるなつみの不良時代の元カレ役を演じていたのですが、これまで数話にわたって主人公兄弟が守り抜いた「キッチンマカロニ」(覚えてた!)をぶち壊したり兄弟をぶん殴ったり、最終的にはパトカーを出動させたりと、ここまでのドラマのバランスを良い意味で崩すレベルのとにかく悪で、リアルタイムで当時見ていた自分は、当時放送されていた人気バラエティ『学校へ行こう!』でV6年上メンバーをとにかくイジる森田くん(と三宅くんとイノッチ)の姿が重なって、森田剛=おふざけが過ぎるヤバいやつ、ってイメージを持っていました。笑

そんな森田剛が今回『ヒメアノ~ル』で演じるはそのまま”森田”役という。笑
原作の”森田”といえばたしかに冷徹に人を殺すとんでもなく恐ろしい奴ではあるのですが、それをとてもジャニーズが演じるとは思えない似ても似つかない顔立ちの人物なのですが(笑)、こと森田剛が演じるとなると、これは原作要素をある程度は引き継ぎつつも、映画独自の”森田”像が構築されることが想像出来ました。

というより、初めて本作の映画チラシを見た時、そして予告編を見た時、確信しました。
「これはひょっとするとジャニーズの歴史においても、そして映画史的にも、とんでもないシリアルキラーが誕生するぞ!」

『ランチの女王』のときに見た、若き不良故のやろうと思えば何でもやってしまえそうな無鉄砲さはいまなお持ちつつ、あれから14年経ち、森田剛もいまや37歳、酸いも甘いも経験してきた人生の憂いというんですかね、あの頃にはまだ無かった味わい深さを内包していて、それがこの”森田”を見るなり「何かとんでもないコトが起きるぞ」と思わせるんですよ。

という訳で、「痛々しい変態」なんて言葉にもはや収まらないインモラルなシリアルキラー”森田”、そしてそれを演じるはV6森田剛、という間違いなく過去のどの吉田恵輔監督作品よりもぶっ飛んだ作品であろう『ヒメアノ~ル』。
『ばしゃ馬さんとビッグマウス』から『銀の匙』までの3作品ですっかり”良い人”化した吉田恵輔監督が、「次はかなりダークな作品を撮る」と掲げ、ついにその溜まった鬱憤を晴らすがごとく実現した本作。
一体、どんな作品になるのか、次回いよいよレビューです!!

ではでは~。


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