ジャン黒糖の映画あれこれ

『怒り』観ました!ぶつけようの無い怒りにたまらぬ共感

『怒り』観ました!ぶつけようの無い怒りにたまらぬ共感

『怒り』観ました!ぶつけようの無い怒りにたまらぬ共感


どうも、ジャン黒糖です。

幼少期以来、久しぶりにスクラッチ技法を用いたクレヨン絵で映画タイトルを描いてみました。
劇中出てくる”怒”の字をイメージして狂気性が出てくればと思ったのですが、、、絵を描くって難しいですね。笑

さて、そんな訳で今日の映画は『フラガール』『悪人』で知られる李相日監督最新作、渡辺謙・宮崎あおい・妻夫木聡・広瀬すずら豪華キャスト共演でも話題の映画『怒り』です!!

まずは予告編をどうぞ。

『君の名は。』が空前の大ヒットで、若干存在感霞んでしまっている感ありつつも、それでも観た人の多くが「役者陣がすごい…」と主にネット上で話題となっている『怒り』。
今日はそんな『怒り』を観て自分が「ここは許せない!」という残念に思った点と、「とは言ってもやっぱ凄い!」と唸ったところ(ここが最重要!!)の両面について書きたいと思います!

李相日監督のクセ?前半がつまらない…

見出しからいきなりドストレートな感想ですが(笑)、観ている最中、何度か「やはり、自分は李相日監督作品が肌に合わないのか…」と思うところがありました。。

これは単に自分が「予告編に騙された!」と感じているだけかもしれませんが、映画の前半部分は、
①ある閑静な住宅街で凄惨なる夫婦殺人事件が発生
②犯人と思しき人物が東京・千葉・沖縄のそれぞれにやってくる

の2点を説明する以外に「犯人は誰だ?」的な、サスペンスの醍醐味でもある物語の本筋部分を言及するような展開がほとんど何も起きず、ひたすら「犯人と思しき人物」3人を取り巻く、事件とは直接的な関係の無い話が進んでいくんですよ。

そのため、東京・千葉・沖縄の3パートそれぞれが殺人事件の犯人とにおわせる描写はあるにはあるものの、それぞれ全く関係の無い物語がひたすら進むため、妻夫木くんと綾野剛くんという2人のイケメン俳優同士による濃厚なラブシーンに思わず「ウホっ♪」と不意に興奮してしまうものの、映画全体の推進力となる中心的パートが無く、物語全体が冗長的に感じるし、ぶっちゃけちょっと退屈なんですよ。笑

このあたりの冗長的な演出は、やはり李相日監督の悪いクセなんでしょうかね。
物語のピークとなる”ある一点”のシーンの興奮、感動を持っていく力強さには毎作品、思わず感嘆してしまうものの、その”ある一点”に至るプロセスのシーンが「さすがにちょっと長くない?」と感じてしまうことがしばしば監督作品にはあると、個人的にどうも感じてしまうみたいでして…。

たとえば李相日監督の過去作品の中でもその冗長さを感じることはございまして、今回の『怒り』と同じく吉田修一原作✕李相日監督作品である『悪人』は、その年のキネマ旬報日本映画ベストワンに選出されるなど、非常に評判の高い作品ですが、妻夫木くん演じる主人公の犯行が明らかになって以降の、主人公の徐々に追い込まれていく後半の描写に、正直ちょっと長いな〜と感じるところもありました。

今回の『怒り』は『悪人』とは異なり、犯人が最後まで誰かわからない上に、犯人と疑わしき人物が東京・千葉・沖縄とそれぞれ異なる舞台、異なる人間関係の中で物語は進められるため、正直前半は「なにも起こっていない」感が否めず、上述の通りちょっと退屈でした。
サスペンス映画の定説通りにいけば刑事役のピエール瀧さんや三浦貴大さんが事件の謎解きパートとして引っ張っていくところですが、そういった映画の中心的パートがこの映画には無いため、「犯人は誰だ??」「彼は一体何を隠しているんだ??」と、サスペンス映画ならではの物語の筋書き・脚本に楽しみの重きを置いて鑑賞してしまい、前半の冗長的描写が鼻についてしまいました。

役者陣の演技に圧倒!目に見えない”怒り”を表現することの難しさ

ただ、序盤でもお伝えした通り、「それでも凄い!」と興奮せざるを得ないところもあって、なんなら前半部分に感じた不満など吹き飛ばしてしまうほどに、この映画『怒り』は自分にとって忘れがたい映画となりました。
李相日監督は本作を撮るにあたって役者陣に対して「感情にブレーキをかけずに全て剥がしてさらけ出すように」と伝えていたそうなのですが、それが功を奏したといいますか、役者陣の演技合戦こそがこの映画を忘れがたい魅力的なものにしていると感じました。

広瀬すずの熱演を前に、ただただ固唾を飲んで傍観することしか出来ない

先程、李相日監督作品について「”ある一点”のシーンの興奮、感動を持っていく力強さには毎作品、思わず感嘆してしまう」と表現しましたが、今回は映画中盤、沖縄パートの広瀬すず演じる泉の身に起きる”ある一点”がとんでもないんですよ。
詳しくは映画をぜひご覧頂ければと思いますが、いま売れに売れている大ブレイク女優中の広瀬すずが到底演じるとは想像もつかなかったほど、観ている我々観客の予想をはるか上回る体当たりであまりにも凄惨な役どころを演じていまして。

それこそ、退屈していた前半も、この”ある一点”以降、ガラッ!と映画全体が緊張感で張り詰め、観るこちら側としても背筋正すほどで、泉の男友達?彼氏?である辰哉くん(を演じる佐久本宝くんの演技もフレッシュで良かった!!)と同様、我々観客さえも、目の前で起きている事件をただただ座って傍観することしか出来ず、当てようの無い怒りをため込むことになるんですね。

彼女が凄惨な状況下に置かれても絞り出す言葉、そして慟哭にも似たラストの叫び。極限の状況をくぐり抜けないと到底出てこないであろう感情の乱れ。
いや〜広瀬すず、まだまだこんな引き出しがあったとは将来が末恐ろしいですな…。笑

というように、沖縄パートは広瀬すずと佐久本宝くんという10代若手コンビの演技が、同じく沖縄パートで「犯人と思しき人物」を演じる芸達者俳優・森山未來に引けを取らないほどのエネルギッシュな演技で、沖縄という蒸し暑い雰囲気も相まってとても良かったですね。

本作の撮影で監督に広瀬すず自身相当にしごかれたと云われていますが、それも納得の、思わず固唾を飲む程の気迫ある、本作屈指の名場面・ベストアクトでした。
広瀬すずにとって10代向け少女コミックの映画化に主演することの多かった大ブレイクの2016年ですが、この『怒り』に出たことで、より演技力を求められるような作品に出てくれないかな?と、今後がとても楽しみなりました。

宮崎あおいの末恐ろしい芸達者ぶりにお手上げ状態

そしてなんといっても宮崎あおい!

予告編やCMでもあった宮崎あおい演じる愛子のセリフ、「け…けいしゃちゅに…電話した…!」の幼気な言い方に観る前は「宮崎あおいぶりっ子過ぎだろ!!」と正直テンション下がっていたのですが、実際に観てみるといやはやこれが不思議とマッチというか、ちゃんとそこには”愛子”がいてびっくりしましたよ。

今回、宮崎あおい演じる愛子は年齢的にはすっかり成熟した大人にも関わらず、心の動くままに行動する危うげさ故に渡辺謙演じる父親の洋平にいまだに心配をかけられている、ちょっと頭の弱い役どころだったのですが、李相日監督作品に初参戦となった宮崎あおい自身も、この愛子を演じるにあたって「自分とはかけ離れている」、と演じることに難しさを感じていたそう。

ところが観れば観るほど宮崎あおいの演じる愛子には存在感としての説得力が増していき、千葉編パートの真実が明らかになる場面ではもう瞬きも出来ないほどの緊張感で惹きつけられ、終いにはラストの宮崎あおいのある表情にノックダウン!!
『悪人』の宮崎美子演じる被害者の母親が、愛娘の死を知って泣き崩れる場面がありますが、李相日監督作品は観ている側もグッと胸を締め付けられてしまうような、女性の発作にも似た号泣シーンを撮るのが上手いですね。

決してストーリーに繋がりは無いものの、すべての”怒り”を一心に受け止める渡辺謙の存在

『怒り』は東京・千葉・沖縄それぞれで展開される物語に直接的な関係性は無いものの、3パートそれぞれの物語が終わりを迎えたにも関わらず、ラストで見せる渡辺謙の名状しがたい表情には、この映画で幾度となく描かれるテーマを一心に受け止めるかのように感じさせ、素晴らしかったです。

この映画ではどのパートも問わず、”人が心の底から誰かを無償に愛することの難しさ””人への不信感が生み出す怒り”が幾度となく描かれ、それら”難しさ”の困窮さも”怒り”の度合いも後半に進めば進むほど増大していきます。
だからこそ宮崎あおい演じる愛子のまっすぐピュアに誰かを愛する姿は、渡辺謙演じる父親の洋平にとっては一見頭の弱い手のかかる娘に見えて、実は同じように誰かを無条件に愛し信じることの出来なかった自分自身の弱さを露呈してしまったことに気付き、涙を流す。

それは東京パートの妻夫木くん演じる優馬も同じで、沖縄パートの彼らもまた似た境遇にある。
この、人間誰しもが抱える、大切な人にも関わらずその人に対する愛情と同時に持ち合わせてしまっている不信感は、時に”怒り”に姿を変え、差し違えば今回の映画における殺人犯の動機にも通じてしまう。
だからこそ、ラストの渡辺謙演じる洋平の円熟味溢れる複雑な表情、そしてその直後に映し出されるまだこれから揉まれていくであろう広瀬すず演じる泉の叫び、このコントラストには映画を観終わっても忘れがたい余韻を残す。

千葉・沖縄の2パートが重苦しいテーマをベースに”人が心の底から誰かを無償に愛することの難しさ””人への不信感が生み出す怒り”が描かれている分、正直、観終わってから振り返って考えれば考えるほど、東京パートの綾野剛と妻夫木くんの話については、ちょっと話として軽い気がしなくもないんですよね〜。。。
ゲイ仲間が相次いで空き巣被害に遭っている件と、ニュースで報じられた「犯人と思しき人物」の特徴を妻夫木くん演じる優馬が立て続けに知ったというだけで、綾野剛演じる直人への不信感を(女性と密会しているところを見た、という決定打があったにせよ)一気に募らせるクダリなんかは、さすがに「それはただの嫉妬だよ!!」と思えてしまうほど、いくらなんでもちょっと安っぽかったです。笑

ただ、観ている最中は若干「ちょっと安くね…」と思った程度で決して興醒めしてしまうってほどでもなく、他2パート同様、東京パートも綾野剛、妻夫木くん、そしてとと姉ちゃんこと高畑充希の3人の演技も素晴らしいですし、ましてや綾野剛✕妻夫木聡という超ビッグネームのイケメン2人がこの規模の大きな映画でがっつり濃厚に”ヤッてる”場面を観た衝撃だけでも、1800円の価値は大アリですよ!!

というように、話のディテールへのツッコミどころや、前半の冗長さに目を向けてしまうと気になるところもたくさんあることは否めない映画ですが、それ以上に役者陣の”熱演するべ打ち”にただただ圧倒されてしまうし、この映画のテーマとして描かれる目に見えない”怒り”という存在は、我々観客にとっても決して他人事ではない非常に考えさせるもののため、2時間20分と決して短くは無い上映時間ですが、決して飽きさせない力強い映画です!!!
おすすめです!!

ではでは〜。


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