ジャン黒糖の映画あれこれ

『SCOOP!』観ました!パパラッチを主人公に描く和製フィルム・ノワール

『SCOOP!』観ました!パパラッチを主人公に描く和製フィルム・ノワール

『SCOOP!』観ました!パパラッチを主人公に描く和製フィルム・ノワール


どうも、ジャン黒糖です。

今回はプラパンにて映画タイトルロゴを作ってみました。
光を当てた影の部分がキレイに映えるかな〜思ったのですが、なかなかキレイには映りませんでしたね。。。笑

はい、という訳で今回ご紹介するは、『モテキ』『バクマン。』の大根仁監督最新作、国民的スター福山雅治が”中年パパラッチ記者”という彼のキャリア史上でも初の汚れ役を演じることでも話題の映画『SCOOP!』です。

先にいきなり結論から申し上げますと今回の『SCOOP!』、頭で考えれば論理的に許せないところもいっぱいある映画です。けど、、、、それでも男に生まれてきた以上、!!この心が…!このカラダが…!!どうしても感動してしまうんだぜこのヤロウ!!!!的な映画でした。笑

はい、それではまずは予告編をどうぞ。

メディア三部作最終章?!パパラッチの世界にドキドキ

本作の監督、大根仁監督といえば『モテキ』ではポップカルチャーニュースサイトのナタリーに勤める主人公・藤本幸世の不器用な恋愛奮闘模様をサブカル音楽たっぷりに描き、続く『恋の渦』ではDQN(もはや死語?笑)な男女らのリアルな会話劇を露悪的に描き、『バクマン。』では実在の週刊漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」を舞台に、神木隆之介と佐藤健演じる高校生漫画家2人の活躍を、それこそ「友情・努力・勝利」をテーマにしたジャンプに掲載されている王道漫画にも負けないぐらい、ストレート且つエネルギッシュな演出で描かれていました。

このようにですね、『モテキ』でいえばサブカルチャーが持つ”オモテウラ”、『恋の渦』でいえばDQNの言葉から放たれる”生々しさ”、『バクマン。』でいえば「週刊少年ジャンプ」らしい”アツさ”など、(プロデューサーによる企画立案段階のコンセプトが当然しっかりあってこそとも思うけれど)大根仁監督ってその作品が元から持っているポテンシャルを、映画という映像コンテンツにする上でどう魅せれば良いか、というコンセプトの映像演出が抜群に上手な監督だと思うんですよね。

他にもエンドロールに話を絞っていうと、『モテキ』ではナタリーが舞台ということもあってか、エンドロールで流れるキャストやスタッフの名前はYouTubeやニュースサイトの見出し風に、Webサイトっぽいデザイン演出がされており、『バクマン。』では各スタッフの名前がジャンプコミックス単行本の背表紙となって流れ、ジャンプ好きとしては感涙必至な、思わず胸熱くなるエンドロールとなっていました。

この辺りからも、さすがはコンセプトの演出名手・大根仁監督、やるな〜!と唸らされる訳ですね〜。
(この2作はいま日本で一番のヒットメーカー・川村元気がプロデューサーを務め、彼による企画力と、その企画を実現させる”座組み”作りが毎度のことながら上手過ぎる!ということもさすがなのですが、この辺りの話は今回は割愛しますね)

そんな大根仁監督が、今回の『SCOOP!』では「FLASH」「フライデー」「週刊文春」「SPA!」等を連想させる、週刊雑誌のパパラッチを舞台に描く。と聞けばそれだけでももう“そのコミュニティ内に属す人ならではの空気感・カルチャーっぽさ”目白押しのコンセプトばっちしな演出で描かれるであろうことを予想するのは容易でした。
ましてや映画公開前に劇場に置いてあるチラシは、いかにも週刊雑誌を連想させるデザインとなっており、『モテキ』『バクマン。』と続く、いうなれば大根仁監督による”メディア三部作”とも言うべき作品群の最終章にあたる作品といった意味でも、勝手な解釈ながら期待がアガっていた訳ですね。

スクープ 映画 チラシ
『SCOOP!』のチラシより。映画雑誌を模した表紙に、裏面は偽バーコードまであるイキなあしらい。

まして、そんな期待をさらに高めさせてくれるかの如く映画公開の前日には、劇中にも登場する雑誌「週刊SCOOP!」を実際に「週刊SPA」より臨時増刊号として全国のコンビニ・書店にて発売!させたコトもあって、パパラッチの内幕という“っぽさ”が描かれるコトへの期待は否応なしに高まっていました。

スクープ 雑誌
現在実際に発売中の「週刊SCOOP!」を先程の映画チラシと一緒に。本物の週刊誌と見間違えそうな表紙ですが、その中身はぶっちゃけ公式パンフレット以上の充実度です。笑

この“っぽさ”に期待して実際に本編を観てみると、なるほどさすがは大根仁監督!

自分含め芸能界の裏側をあまり知らない観客が「業界としてありえそう」と思える範囲でのパパラッチの内幕“っぽさ”が、映画前半、次々とリアルに描かれ、福山雅治演じる都城の非倫理的な仕事ぶりに若干引きつつも、それでもやはりストレートに楽しかったです。
各キャラの衣装や週刊SCOOP!編集部の室内セット、都城の車内に乱雑に置かれた小道具など、細かな部分に対しても”おこだわり”がたくさん盛り込まれることでその業界“っぽさ”が溢れ、自分の知らない世界を知れる喜びを感じられるのが大根仁監督映画の魅力だと思うんですよ。

女性アイドルの泥酔事件や力士の深夜豪遊など、どこかここ数年で実際にあったスキャンダルを連想させ、計算的とはわかっていても、そこはやはりまんまと引き込まれてしまいました。笑

その、スキャンダルの数々を、週刊SCOOP!の発行部数増加と重ねて描くシーンでは、ただただスキャンダルを暴き世間に報じるコト=雑誌の売上が勢い付いていく、というだけの効果でなく、最初はパパラッチの仕事内容を軽蔑していたヒロイン・野火(二階堂ふみ)が、都城の仕事に同行していく過程で徐々に成長していき、都城自身もまた野火の姿にかつての自分を思い起こさせ、やる気を再び出していくというシーンとも重ねることで、都城と野火によるバディムービーとしての面白さも加わるため、この一連のシーンは、ベタとはいえやっぱアガってしまいますよね。

映画全体を4パートに分けるとここまでが「1.都城と野火の出会い」「2.野火の成長、都城の心境変化」、そして3パート目が成長した都城・野火コンビがついに大きな事件の決定的スクープを撮るべく動く、という構成でしょうかね。
ここまでは大根仁監督、さすが!思わずテンションアガってしまいました。

業界”っぽさ”と和製ノワールの噛み合わせの悪さが目立つ4パート目

はい、あえて「ここまでは」と強調してまで書いたのには訳があってですね。。。笑
たしかに前半1〜2パート目は上記の通り、“っぽさ”をストレートに楽しみました。
1〜2パートの流れを汲んだ3パート目でついに大きな事件の決定的スクープに挑むことで映画としてのテンションは最高潮に達しました。
ましてや、本作のスポットCMでも「狙え!世紀のスクープ!!」ってさも3パート目が一番の山場かと感じさせるような宣伝をしていましたからね。


映画『SCOOP!』のテレビCMより。

ところが、実際に映画を最後まで観終えてみると、過去の大根仁監督作品にあったような、その業界“っぽさ”、今回で言えば芸能パパラッチ“っぽさ”全面押しの映画、だけでは終わらなかったのです。

業界“っぽさ”を惜しげもなく出すのはあくまで3パート目までで、最後の4パート目にして突如映画の雰囲気は変わり、都城という男の、かつて仕事で名声を得たコトもあったがいまは落ちぶれてしまった孤独な中年パパラッチの、反社会的世界の中で不器用ながらも、そうとしか生きられない人生と向き合う、フィルム・ノワール的な話がメインとなってくるんですね。

まるでこの3パート目までが「お前ら観客が大根仁監督作と聞いて期待するのって、こんな感じでしょ?」的なサービス提示(自体はそれはそれで楽しくて嬉しいのだが)をした程度だったかのよう。

冴えない男のダンディズム、という点でいえば同じく大根仁監督による『まほろ駅前番外地』や『リバースエッジ大川端探偵社』など、近年の連続ドラマにも通じるところありますが、それ以上に、なぜだか自分は松田優作主演の『蘇る金狼』や沢田研二主演の『太陽を盗んだ男』辺りの80年代前後の日本映画に感じるノスタルジックな和製ノワール感を思い出してしまいました。
(ちなみに『太陽を盗んだ男』の監督・長谷川和彦を大根仁監督はリスペクトし、何年か前にCSの番組で対談をしたり、雑誌対談したりもしてましたね。)

もちろん、『蘇る金狼』や『太陽を盗んだ男』と『SCOOP!』はストーリーも舞台設定もまるで違います。
ただ、芸能パパラッチという言うなれば人・社会の秘部を暴き出すアンダーグラウンドな側面と、『蘇る金狼』で描かれるような反社会側面、そしてそんな反社会的世界でしか生きることの出来ない主人公の這い上がりたいのに這い上がれないアンビバレントな状況に、なぜか今回の『SCOOP!』は重なるところを感じ、とても懐かしい日本映画を観たような気持ちになりました。

その結果この4パート目、文字通り映画としての“トーン”がガラリと変わるため、「は〜??なにこの急展開!!必要?!!」と思わず首をかしげてしまう程、映画全体の流れからすると正直言って明らかにイビツです。

ギリギリネタバレ抜きに言うと、”アルペン”の後に起きる展開、ですかね。笑
映画未見の方には”アルペン”の後、何が起きるかは実際に映画を観て頂く他無いのですが、正直観ている最中の自分も「え…こんな展開だれも期待していなくない…?」と若干ストレス気味に観ていました。
なんなら、思わず「これ、どうせ夢オチだろ?!夢から覚めたらいつもの夜の東京、車の中にいるんだろ!?」と思っていました。笑

これまでの大根仁監督による映画代表作『モテキ』と『バクマン。』のイメージが強いためでしょうか、1〜3パートで描かれるその業界“っぽさ”を押し出した演出と、4パート目でよりテーマとして浮かび上がってくる和製ノワール感は噛み合わせが悪い印象です。
実際に映画レビューサイトなどで『SCOOP!』評を読んでいると、同じ箇所で同じような指摘をしているレビューが結構な割合で見受けられました。

たしかに、頭で考えればやはり普通にこの4パート目は際立ってイビツな存在で、映画のバランスとしておかしいと考えるのは理路整然・至極真っ当な感想だとは思います。
ただ、それでも観終わったいま、不思議なことに映画のコトが忘れられずにいる自分がいます。

和製フィルム・ノワールとして観る福山雅治の渋さと夜の大都会・東京のノスタルジック

これはもう頭で考えて映画を観る、とかいう以前の話で、やはり男として生まれてきた以上、“ダメとわかっていてもそれしか自分には無い男が自分の人生に落とし前を付ける”の話にはどうしてももはや生理的にグッと来てしまうんですよ。

リリー・フランキー演じる”チャラ源”と仕事もプライベートも関わりを持ち続けるのは止めるようにいくら周りの人から言われようと、昔の恩義を捨てられない都城にとっての、どんなに腐った生活を送っていたとしても持ち続けている男気や優しさには、たとえ道徳的に考えたらおかしい関係と頭ではわかっていても、たとえ物語の文脈上おかしな展開だとわかっていはいても、それでもグッと来てしまいました。
(この”昔の恩義”について劇中詳しくは触れられなかったものの、先程ご紹介した現在発売中の「週刊SCOOP!」にはその真相が掲載されています。公式パンフレットには載っていないのに!!笑)

公式パンフレットには、本作の原案となった1985年製作のテレビ映画『盗写 1/250』(未だDVD化されずVHSのみ、という幻の作品で残念ながらこちらは未見です…)の監督・原田眞人と大根仁監督の対談が掲載されているのですが、その対談の中で大根仁監督自身、1985年当時初めて『盗写 1/250』のラストを観たときに感じた衝撃を、『SCOOP!』を観るいまの観客にも味わわせたい、と語っていました。
このことからも、上記の”ある急展開”は監督ご自身の意図的なものと思われます。

こんなにもグッと来るのには、主演・福山雅治と、舞台となる夜の大都会・東京という2つの要素が大きすぎると思うんですね。

福山雅治。言わずと知れた国民的スターです。
以前、当ブログでも特集しました是枝裕和監督特集で紹介しました『そして父になる』でも主演を務めていましたが、演出の上手い監督と組むと彼は演技の新しい引き出しが開くので面白いですね。

おそらく、名曲「桜坂」や「milk tea」をリリースしていた頃の彼では今回の都城という役柄は合わなかったかもしれません。
それぐらい、いまの福山雅治には酸いも甘いも味わった、中年としての円熟味といいますか、渋さが出てきた気がしますね。そのため、より切なさに説得力が増す。

そして、この映画のもうひとつの主人公と言ってもいい夜の大都会・東京という舞台ですが、これがまた良い。
現在、記録的大ヒット中の『君の名は。』の監督・新海誠は自身の作品で電車や都会の街並みなど、無機質な物体が監督作の劇中に度々描かれることについてインタビューで「電車やビルなど、無機質なものにこそノスタルジックを感じる」と語っていましたが、同じですね。

普段から見てきた東京という街だからこそ、一見冷たい印象を与える都会の摩天楼(死語ですね笑)も、映画というフィルターを通してみるとなぜだか急に切ない気持ちになってしまいます。

この、夜の東京に感じるノスタルジックな雰囲気が、福山雅治演じる都城の渋さとすごく似合うんです。
彼の生きる場所はやっぱり“夜の東京”なんですよ。
都城が都城らしい行動をしている場面ってのは、思えばすべて夜だったんです。”チャラ源”とバカやるのも夜の東京、野火とスクープの瞬間を車の中、待ち続けるのも夜の東京。

反対に、彼が日中活動しているのは、いまの彼自身の身の丈以上の行動をするときだったりする。
3パート目の大スクープを撮る瞬間も、その事前の打ち合わせする場面も、日中なんですよね。かつて彼がスターカメラマンだったころの主戦場に帰ってきたにも関わらず、いつもの都城からすると、日の差す時間帯に活動している都城はどこか居心地の悪さを感じてしまうんですよ。

この映画の最後に彼がいる場所はどこか。思い返すだけでグッと目頭アツくなってしまいます。最後にもっかい、夜の東京を生きる彼のカッコいい姿を見てシメに入りましょう。笑

はい、という訳で物語の流れを汲み取ると4パート目は普通におかしな展開です。
ですが、男として生まれてきた以上、都城の生き様には思わず胸が熱くなりました。
正直、『モテキ』『バクマン。』と、同じトーンで描いていたらそろそろ大根仁監督の演出も味濃く飽きてしまうか、と思っていたのですが個人的には大大大満足です!!!おすすめです!

ではでは〜。


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